株式会社牛久工務店一級建築士事務所

設計施工事例 新築住宅 東京都墨田区

母親との同居と結婚を機に建替えをしたいと依頼を受け現地に。平屋建てでお母さんが暗いところで生活している様子。間口に比べ奥行きの深い敷地。駅に近く、前面の道は朝夕は特に結構通勤される方が多く通る。通る方の視線を気にせず、1階でも明るく。また街並みとして、外を通る方々にも緑が目に入るような配慮をしたい。というのがその時の第一の得た感覚でした。
建築設計上法的な採光の確保という点から、道路に面して2室を取れない時のプランニング手法は、中庭を設けるか手前を欠けたカギ型に。実際の快適性からは、中庭だと外からの視線は遮れ易いがどうも閉鎖的に。3階のカギ型では外観のプロポーションが悪い。そこで思いついたのは奥から正面まで貫いた斜めの壁。それによって小さな坪庭も生まれ、そこに季節を感じられる高樹を植え、各階の各所から楽しめるように。そんな効果によって立体的な豊かな空間と外観に。明るさを確保しながら外部からの視線を気にしない気持ちの良い室内空間と街並みにも緑を感じてもらえるようになりました。

キッチン
カーテン
和室に入る日の光
玄関に入る日の光
3階建ての外壁のデザイン
家の中からは窓の外が良く見えて、外からは覗けないプライバシー確保の工夫。L型プランに斜壁を設けることで、その中間に生まれた空間に自然光を採り込める光庭を確保。そこには各階から望める高いシャラの木を植え、道路からの視線を遮るよう角度を付けた木製ルーバーで囲います。
リビングにあるライトコートのデザイン
リビングにある中庭のデザイン
廊下と玄関
階段と洗面台のデザイン
部屋にあるクローゼット収納
和室
スケルトン階段のデザイン
オープンキッチンのデザイン
洗面台の脇にある収納棚
お風呂から見える中庭
お風呂の窓も透明硝子で大きく開け、植栽を眺めんながら浴槽浸かることもできる様になりました。
何よりも2階のリビングからは前の道に行き交う人々が見えても、外からは生活の様子が見えないように斜壁の高さを工夫する建築的な手法によって、それらの効果とデザインを探求しています。それは、永年自然光の採り入れ方を研究し実践しているからこそ、その技が生きてきます。3方を燐家に囲まれた敷地環境では、どうしても暗いところが出てきてしまいます。
階段にあるスカイライトチューブ
そこに、もう一つの採光の技として、スカイライトチューブを工夫を加えて採用ししています。階段を囲うように3階屋根から1階手洗いの上まで太陽の光を導きます。その太陽光を3階2階の中間にもスリット窓によって照らしています。
玄関を照らすスカイライトチューブ
キッチンのバック収納を増やしたいと予定していた窓を取りやめ、その窓の代わりに、スカイライトチューブを追加。何年か経って玄関ドアの近くにも追加しています。途中からでも設置可能なこともスカイライトチューブの強みのひとつです。

お客様×担当建築士

お客様と担当建築士で設計施工時を振り返りました。

お客様大宮さん
担当建築士牛久光次

大宮さん この土地は元々僕の実家が建っていた場所で、僕自身この窓から見える病院で生まれました。結婚を機に二世帯住宅として建て替える必要が出たため、近所だった牛久工務店に相談をしました。

牛久 お母さんをとても大切にしているO氏からは、なるべくバリアフリーにしたいという要望をもらいました。それに応えるために廊下や玄関を広くしたり、お部屋をお友達が来てもくつろげる場所と寝る場所を吊り戸で自由に仕切れるように工夫しています。

大宮さん 玄関が広いとバリアフリーの観点だけじゃなく、空間としても気持ちがいいです。訪れたお客さんも「おっ」となるような玄関でとても気に入っています。あと、僕からはありきたりではないデザインにしたいというお願いもしました。

牛久
 ここは土地の形が間口のわりに奥行きがあったので、普通に建てるとつまらない外観になってしまうところを、斜めのラインを使うことでユニークなデザインにしました。また採光や外との繋がりにも気を使って空間を作っています。やはり住宅において光をどうするかはとても大切です。

大宮さん 陽の光は買えないですからね(笑)。
まるで外にいるかのような開放的なリビングがとても気持ちいいです。デザインの部分も家を建てる中で、僕と牛久さんで何度も話し合って進められたことがすごく良かったです。僕の要望に対してよその工務店なら「それはできません」と言われ終わってしまうようなところも、牛久さんは「どうしたら実現できるか」と考えてくれました。また、使用する木や石などの素材も一緒に建材店に探しに行って選んだり、牛久さんと僕らが「一緒になっていい家をつくろう」という関係で家づくりができたと思います。

牛久 斜めのライン以外にも、西日よけのルーバーや、壁に使った珪藻土など、デザインのポイントはたくさんありますよ。あと大切なのはO氏のお母さんが過ごす部屋。1階にありますがそこにも光がよく入るように、それでいて外からの目線もうまくかわせるように工夫しました。せっかくの採光も目線が気になっていつもカーテンを閉めていては意味がなくなってしまいます。

大宮さん 地元の工務店ということで、家を建てた後でトラブルがあった時もすぐに相談できるのがありがたいです。以前、台風でオリーブの木が倒れてしまった時もすぐに来てくれました。母も牛久さんに頼りきっていて、ちょっと電球を替えるのにも「牛久さんに相談しよう」と言っています(笑)

牛久 ありがとうございます。ぜひこれからも末長いお付き合いをさせてください。

建築データ

建物種別:戸建(新築)
構造:木造3階建て
所在地:東京都墨田区
延床面積:約143㎡
敷地面積:約91㎡
設計期間:約3ヵ月
施工期間:約5ヵ月

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