住宅

新築・石積み柱の家(人生を楽しむ地下室のある家)

施主ご夫妻のご子息は既に成人され、今までご苦労されたご夫婦のこれからの余生を、趣味を存分に楽しめる住まいにしたい、とのご希望がありました。
音楽が大好きでクラシックの作曲もされセミプロ級のピアニストのご主人。美術大学出身で絵が大好きな奥さま。
ご主人の友人には画家さんも、もちろん音楽家もいらっしゃいます。
奥さまも人付き合いが豊富で比較的に人の集まるご家庭です。
今まで育ててくれた旧宅を惜しみつつも手放し、新しくご夫妻の生活の場を求める新居には、絵画と音楽を友人と一緒に楽しむことのできる家。
ギャラリーと音響の整った音楽室のある住まいが、ご夫妻の出された結論となりました。

1.きっかけは周囲の環境の変化

もともと施主ご夫妻は住宅街で200坪の土地に、平屋建ての旧家と2階建ての離れがありました。しかし周りを高層のマンションや施設建物に囲まれ、その広い庭にも十分な陽が射さなくなり庭木もなにか元気がないように感じられていました。
「ここは、もう既に一戸建てを建て替えて住むことの出来ない場所になってしまった・・」
寂しい思いを感じながらも、その土地にマンション計画を立ち上げたディベロッパーに等価交換で譲る決意をされたのでした。
しかしながら、同様の広さの土地を見つけるのは難しく、隣町の分譲地で以前と比べるとかなり小さな35.7坪。隣地の分譲地も一緒に購入を考えましたがあいにく縁がなく既に売られていました。
そんな事情をお聞きして、その土地に、施主家の夢を実現すべく、まずは建築法規いっぱいの床面積の確保と趣味の音楽室を兼ね添えた地下室付きの住宅の設計に入ったのです。

2.趣味を存分に楽しみたい

移転先は住宅地のど真ん中、ひと通りも少なく、駅からも少々遠く、住民以外はあまり通り抜けする場所ではありませんでした。

そんな静粛な街並みの中に、コンサートもできる音楽サロンという施主の要望にこたえるには、床面積の緩和を最大限得られ、防音的に有利なフルサイズの地下室は必須でした。

地下室の前の空間、ドライエリアです。地下への階段スペースなんですが、地下と思いにくいくらい、玄関前のレベルと素直につながっていて、独特の広がりを見せています。

この地下室は内部で住宅とはつながっていません。縦方向の離れとして、住宅というプライベートな空間とは異質の空間創りをしています。「雨の日は傘をささないと行けない」というと、一見使いにくいとお思いでしょうが、「便利=豊か」とはならないと思っています。「離れにある音楽サロン」までの適度な距離感が日常からの分断となり気持ちの切り替えも自然となされ、結果充実した時間を過ごすことになるのではないかと考えています。

慎重に選ばれた植栽が周りを彩っています。適度に住宅と前面道路との距離をとっているため、とても豊かな表情を見せてくれます。

3.住まいと暮らし

この家のシンボルとなっているのは、中央の石積み柱、鉄平石と青石のコバ積みです。
 
お施主さんも、「やっぱり本物の石は良いですね、ほんと疑石にしないで正解でした。」
と言って、満足な様子でした。

200坪の敷地にあった邸宅と同様の収納確保のためには1/2緩和可能なロフト(小屋裏収納)を設けるプランニングが必然でした。

ロフト+吹抜けとすることで、居室の空間に拡がりを演出しました。

リビングは十分な明るさを自然光で賄うために太陽光照明スカイライトチューブを2台設置しました。
 
写真は夕方でだいぶ日が傾いているため、屋根に設置した採光ドームにまだ日が当たって白っぽいシーリングライトのように見えるものと、既に日が直接は当たっておらず、外の明るさを反射させて青っぽく光っているのが太陽光照明です。夜間は四角いシーリングライトで照らします。
 
日中は2台のスカイライトチューブが紫外線や熱線をカットした爽やかな明るさでリビングを包み込む様子が目に浮かびます。

導入途中のスカイライトチューブ

木の温もりがあふれ、植栽やインテリアとしての植物も随所に癒しの感じられる住まいになりました。

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