昼光利用・太陽光照明

日中、建物の屋根には太陽の明るさが無限にあります。
その自然の光を効率よく採り入れることが出来れば、照明の消費電力を大幅に削減できるのではないでしょうか。
しかも日中の電力の削減はピークシフトに繋がります。
しかし、単に窓ガラス的な開口を多くして自然光を利用すると逆に冷暖房エネルギー負荷の影響も心配です。
断熱性能に優れ高品質な自然光利用を可能にし、省エネルギーと快適性を両立する未来型照明「スカイライトチューブ」がそれらを解決します。
製品はキット化しており、新築はもちろん既設の建物にもフレキシブルに導入することが可能です。

特別養護老人ホームへの導入(ふるさとの杜かみのもと)

1.施主の理念

老人ホームの建設にあたって施主は入居者がいつまでも元気で生き生きした日常を送ることを願うものです。
 
「小さなことかもしれませんが、施設に住まう方、働く方が少しでも気持ち良く前向きでいられるよう、自然の明るさが手助けしてくれるかもしれない」という施主の思いを実現させるため、施設の建築計画にスカイライトチューブを採用していただきました。

本施設等の照明計画を担当した株式会社エス・ピー・エーは、日常利用するラウンジ、共同生活室は2面採光となる窓の配置し、人が集う憩いの場として快適性とくつろぎを感じられるような住空間にしていました。
 
そして無機質になりがちな中廊下やエレベーターホールには、電気照明だけに頼らずに、「スカイライトチューブ」を採用し、一定光源ではない自然の光を感じられるようにすることで、天候や時間の変化による明るさの変化が利用者に感じられるような配慮をして全体的な照明計画とされていました。

そのため、4階建ての各階への採光をご希望されたため、スカイライトチューブに特殊加工を加え、屋上の集光ドームから各階への配光が可能となるように、多階分岐方式を新たに開発しました。
 
4階建ての各階エレベーターホールには自然光が間接照明として活用されています。屋上で集光した光は、反射率99.7%の鏡面加工したチューブの中を各階へ伝送していきます。

また、スカイライトチューブは無電力型照明ですので、非常時の安全誘導の役割も担います。
停電時には安全誘導のほか、外光に触れることで不安を少しでも解消し、夜間も月明かりを拾い暗闇とはならないため、常夜灯の役割も果たします。

2.省エネの有効性(昼光利用で電気照明器具消灯による削減効果)

これまで、外周部の窓からの採光が得られない建物の中央部には、天窓を採用することしかありませんでした。
それは最上階か又は大きな吹き抜け空間を通しての採光しか望めず、また同時に冷暖房費に関わるエネルギー負荷の対策も考慮が必要でした。
 
本建物にも光庭を採用してしましたが、これらも大きなスペースを必要とし、複数設けるには困難でしたが、それに代わる昼光利用として、反射式導入管を持つ採光システム、スカイライトチューブが採用されました。

朝は日の出とともに室内を照らすスカイライトチューブは、朝夕は補助的な明るさになりますが平均8時時間ほど、電気照明を消灯することが可能です。
特に窓からの採光がえられない中廊下やエレベーターホールには、スカイライトチューブを活用した多階分岐式によって1階~4階まで各階採光することが出来ました。
 
昼光利用が可能な時間帯が主な施設利用時間帯ゆえに、日中の照明用消費電力を削減することでピークシフトの効果にも貢献しています。
また、断熱性に優れ空調不可が少ないため、天窓やガラス窓に比べ冷暖房エネルギー消費量を削減できます。

3.デザイン性

各フロアを3ユニットで構成し、ユニットを識別する独自のカラーを共用スペースの要所に配置することで利用者が現在地を認識しやすい仕組みを取り入れていました。
日常的に馴染んでいくユニットカラーがより認識されやすく心理的に安心感を得られるよう演色性の高い光による色の識別ができるような照明計画となっています。
 
自然光に勝る演色性のある人工照明はありません。より見やすく、そのままの色を映しだす自然光は、やすらぎを感じられる快適な室内空間を創出します。
 
各居室への移動の際も中廊下やエレベーターホールなど閉塞感を感じやすい場所も、太陽光照明システムを導入することで、自然光による空間のつながりを演出しました。建物全体に太陽の光を行き届かせることによってデザイン性・快適性を高めることができました。

4.昼光利用の可能性(施設用途としての可能性)

スカイライトチューブは、建物の構造によっては既存の建築物にも導入可能なシステムであり、試験導入後に自然光の効果を確認してから本格導入することもできるため、施工性はフレキシブルであるといえます。また、施設用途毎にメイン照明からアンビエント照明としても幅広く活用できる照明システムであり、設計者の創意工夫でまだまだ未知の可能性を秘めた採光設備です。
 
また、スカイライトチューブは動力を使用しないためメンテナンスフリーです。清掃に関しても単板ガラス型集光部と異なり、ドーム形状をしているため汚れが付着しにくくなっています。高天井の工場や倉庫での実績も多数あり、高所作業によるメンテナンスが不要になるため、ランニングコストは全くかかりません。拡散された太陽光の視認性の良さに、倉庫作業員の方々からも仕事がやりやすくなった、などのお話もあり、作業効率の向上にも役立っています。


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